一九四五年の夏,敗残の日本軍はビルマの国境を越え,タイ国へ逃れようとしていたが,その中にビルマの堅琴に似た手製の楽器に合せて,「荒城の月」を合唱する井上小隊があった.水島上等兵は竪琴の名人で,土人に変装しては斥候の任務を果し,竪琴の音を合…
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