有島武郎が生前に残した創作集は『一房の葡萄』ただ一冊である.挿絵と装丁を自ら手がけ,早く母を失った3人の愛児への献辞とともに表題作ほか3篇の童話が収めてある.童話とはいうものの,人生の真実が明暗ともに容赦なく書きこまれており,有島ならではの…
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