▼『いかにして問題をとくか』ジョージ・ポリア

いかにして問題をとくか

 未知の問題に出会った場合どのように考えたらよいか,問題を解くすじみちを,数学者として著名なポリア教授が,やさしい数学を例にとって興味深く説明.新しい創造力に富んだ発想法,考え方を本書はあざやかに示す――.

 きている限り,意識的であれ,無意識的であれ,誰でも問題に直面している.その対処方法は,問題を理解し,内容の既知と未知の関連性を把握し,計画を立て,実行し,振り返る.本書は,それら発想の基礎が凝縮された名著.

解答のプランを考えるときには,厳密でない,いわば見当をさぐるための発見的な推論を恐れてはならない.正しい結果にみちびくようなものはすべて正当なものである.しかし解答を実行する段になるとこの考えは変えなければならない.われわれは断定的な,厳格な議論だけしか受け入れてはならないのである

 ルネ・デカルト(René Descartes),ゴットフリート・ライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz),ベルナルト・ボルツァーノ(Bernard Placidus Johann Nepomuk Bolzano)らが論じた近代発見学における「真理の発見」.問題を解くのに有効な思考作用は,本書でリスト化されている.

計画を実行するために,われわれは各段階を検討する.その検討には直感的な洞察若しくは形式的証明が必要である.あるときは直感が先になり,あるときは証明がさきになる.その両方をやってみることはたしかに有意義なことである.…中略…直感的にみとめたことを形式的に証明し,形式的に証明したことを直感的に諒解するためには非常な精神の燃焼を必要とする

 未知の問題に遭遇した場合に,「問題解決」のモデルを端的に示し,その解説が詳細になされる.時代を超えて読み継がれてきている本質がここにあり,数学教師とその生徒を想定して書かれた本書は,自然科学のみならず,人文,社会科学にも応用できる示唆が豊富に含まれている.古風なフォントも香ばしい.

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Title: HOW TO SOLVE IT

Author: George Polya

ISBN: 9784621045930

© 1954 丸善