Books(社会)

▼『フォーカス スクープの裏側』フォーカス編集部

FOCUS創刊前,盗撮カメラマンのテクニックは「粘る」ことだけだった.81年,FOCUSの登場によって,盗撮技術は革命的な変化をとげる.追跡,モニター監視,無線機,そして隠しカメラ….数多くの政治家,財界人,芸能人がカメラマンのターゲットになり,「フォ…

▼『シルミド』イ・スグァン

ソル・ギョング主演の映画《シルミド/SILMIDO》をはじめ,朝日新聞,ニュースステーション等で話題となった韓国・実尾島事件の真実に迫るノンフィクション・ノヴェル.死刑囚やヤクザ者を含む31名で結成された金日成暗殺部隊が,3年4カ月の過酷な訓練の末に…

▼『天体による永遠』オーギュスト・ブランキ

19世紀稀代の革命家ブランキ(1805‐1881)は,パリ・コミューン勃発の前日に逮捕される.トーロー要塞幽閉中に書かれた最後の著作が本書である.それは革命論ではなく,宇宙の無限から人間を考察したものだった.想像力を広大な宇宙に飛翔させ,そこでブランキ…

▼『決定の本質』グレアム・T.アリソン

理論研究と実証研究が一体となった,キューバ危機分析の決定版.十三日間の米ソ核危機の学際的分析によって,アリソン理論として知られる政治-行政組織における意思決定モデルを確立した,記念碑的政治学書――. 軍事同盟,経済協力,中立などにより,国家の…

▼『誰も書けなかった石原慎太郎』佐野眞一

なぜ,彼はこの半世紀,人びとの関心を集め続けてきたのか.「男が惚(ほ)れる男」だった父・潔と,「日本で最も愛された男」と言われた弟・裕次郎へのコンプレックスから,新銀行東京問題までを徹底取材.大衆の心にひそむ欲望を,無意識に,しかし過剰なま…

▼『「水」戦争の世紀』モード・バーロウ,トニー・クラーク

いまや石油よりも貴重な天然資源となった水は,グローバル企業や世界銀行,IMFなどにより,巨大なビジネスチャンスの対象とされ,独占されつつあるのだ.今,生きるための絶対条件である水を得られない人びとが,大幅に増えている.地球のすべての生命体の共…

▼『イランの核問題』テレーズ・デルペシュ

イランのアフマディネジャド大統領が推し進める核開発の真の狙いは何か?フランスで最も権威のある文学賞・フェミナ賞(エッセー部門)を受賞した核問題の専門家が,世界の安全保障を揺るがす事態を鋭く解明.アメリカ,ロシア,中国,パキスタン,インド,イス…

▼『失敗例に学ぶ「内部告発」』東京弁護士会公益通報者保護特別委員会 編

コンプライアンス経営の要諦である内部通報制度は,理念や運用を誤ると関係者に多大な責任と損害を発生させる.通報または通報処理の失敗例と裁判例を分析し,現状における公益通報制度の諸問題とその解決法を検討する――. 米国においてはサーベンス・オクス…

▼『いちご白書』ジェームズ・クネン

闘いの日の輝きは,今も,失せない.永遠の青春文学,復活.1968年4月,遊園地を軍事関連施設に建て直す事に端を発したコロンビア大学の学園闘争の中,好奇心と下心から学生運動に身を投じたボート部の学生と,活動家の女子大生の恋愛を瑞々しく,力強く描く…

▼『自由と規律』池田潔

ケンブリッジ,オックスフォードの両大学は,英国型紳士修業と結びついて世界的に有名だが,あまり知られていないその前過程のパブリック・スクールこそ,イギリス人の性格形成に基本的な重要性をもっている.若き日をそこに学んだ著者は,自由の精神が厳格…

▼『明香ちゃんの心臓』鈴木敦秋

医師になることを夢見た12歳の少女が,名門病院の心臓手術で命を落とした.手術のデータは改竄され,両親に真実は伝えられなかった.「よい医療」とは何か.患者側と医療側が互いの溝を埋めるべく歩み寄り,病院改革,医療改革の第一歩を踏み出した,試みと…

▼『ディープ・スロート』ボブ・ウッドワード

ニクソン大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」から33年.新米記者ボブ・ウッドワードに地下駐車場で極秘情報をリークしていた人物が名乗りを上げた.当時のFBI副長官マーク・フェルトだった.フェルトが死ぬまで秘密を守り抜く覚悟でいたウッド…

▼『法と社会』碧海純一

社会においては個人の行動を規制し,秩序を維持していくことが不可欠であるが,これは主として社会化および社会統制という過程を通じて行なわれる.本書は,法を社会統制のための特殊な技術とみる立場からその社会的機能を論じ,法と他の文化領域との関係を…

▼『エンタテインメント・ビジネス』秋山弘志,北谷賢司

ローリング・ストーンズ,マイケル・ジャクソンなど,世界的大物アーティストの巨大コンサートを仕掛ける華やかなライブ・エンタテインメント・ビジネス.しかしその舞台裏では,プロモーターやマネジャー,弁護士や会計士らがビッグマネーを巡って熾烈な戦…

▼『学閥支配の医学』米山公啓

学閥(ジッツ)とは,わが国独特の同じ医学部の卒業生で作られる,見えない組織である.医者同士が初対面の時,まず卒業年度と出身校を訊く.先輩か後輩か,国立か私立か,医局はどこか.これによって医者の間に微妙な力関係が生じる.旧帝国大学医学部を頂点…

▼『物語 北欧の歴史』武田龍夫

中世においては西ヨーロッパの人々を恐怖に陥れたバイキングとして,現在では高度な福祉を実現させた国家として世に名高い北欧の国々.その歴史は平坦ではなく,隣接する強国ロシアとドイツを交えた度重なる戦争や民族独立運動,緊迫した国際情勢の中での苦…

▼『貨幣の悪戯』ミルトン・フリードマン

貨幣は歴史に何をしたのか.貨幣が本質的にもつ悪戯性を「経済学の巨人」M・フリードマンが歴史を紐解きながら明らかにする.われわれはまた,「貨幣の悪戯」に襲われるか――. ケインズ学派の大不況解釈のビジョンは「誤認」,と実証してみせた記念碑的著作…

▼『コモン・センス』トマス・ペイン

アメリカの独立を「理」と「利」の両面から大胆かつ鋭く論じたトーマス・ペイン(1737‐1809)の『コモン・センス』(1776)は,刊行されるや空前のベストセラーとなり,その半年後に発表された「独立宣言」の内容に多大な影響を与えた.歴史を動かしたまれな書物…

▼『フーリガン戦記』ビル・ビュフォード

ヨーロッパ各地で暴動を起こす悪名高きイングランドのサッカー・フーリガン.極右,人種差別,アルコール,犯罪へと走るフーリガンの若者たちの実態を,行動を共にしたジャーナリストが生々しく伝える緊迫の記録.〈暴力〉から生じる戦慄と陶酔……この衝撃は…

▼『ジーニアス・ファクトリー』デイヴィッド・プロッツ

知られざる「ノーベル賞受賞者精子バンク」の興亡を,創設者である大富豪,それに加担した大物科学者,利用者たちの生涯と重ねて紹介.取材のためには自分で精子バンク・ドナーを体験することも辞さない著者が,バンクで人生が変わった人々の生活に踏み込み…

▼『南シナ海』ビル・ヘイトン

境界線と領有権の「なぜ」を詳説!人工島の拠点化,緊張する周辺国,衝突の危険と不測の事態.「南シナ海の歴史」は「世界の歴史」であり,その未来は世界の関心事だ.ここで起こることは世界の未来を決めることになる…歴史,国際法,資源,政治,軍事など,…

▼「堂々たる政治」与謝野馨

この国の土台が揺らいでいる.小泉政権の構造改革を継承し,突如瓦解した安倍政権,停滞し,綻び始めた国家の運営……いま,政治家に不可欠な判断の要諦とは何か,言葉と行動の重さとはいかなるものか.奇をてらわず,耳障りなことでも堂々と語る.文人の家系…

▼『拒絶された原爆展』マーティン・ハーウィット

95年の米・スミソニアン博物館の原爆展中止は記憶に新しい.負の歴史を巡る激烈な論争,原爆展企画から中止までの経過を,元館長自らが綴るドキュメント.日米の戦争観の差,ヒロシマ・ナガサキ問題を再考するに最適の書――. スミソニアン・インスティチュー…

▼『勲章』栗原俊雄

毎年四月と一一月,それぞれ約四〇〇〇人への叙勲が発表され,メディアも大きく報じる.だが,そもそも勲章はいつ,何のために生まれ,どんな変遷をたどってきたのか.人選や等級はどんな基準と手順によるのか.人間の序列化,官尊民卑の助長など,批判はど…

▼『われわれはどこへ行くのか』カール・フォン・ヴァイツゼッカー

世界的に著名な原子物理学者であり哲学者でもあるカール・フォン・ヴァイツゼッカー.ヒトラー時代反骨の学者として生き抜いた氏が,我々に向けて贈る平和・宗教・学問への爽やかな時代証言.事実上,氏の最終講義となる97年,ミュンヘン大学連続講義集――. …

▼『刑事一代』佐々木嘉信,産経新聞社 編

捜査は,ホシとデカの命がけのぶつかり合いだ…警視庁捜査一課勤務30年の名刑事・平塚八兵衛が,昭和史に残る大事件の捜査現場を語る.地を這うような徹底捜査で誘拐犯・小原保を自供へ追い込んだ吉展ちゃん事件から,帝銀事件,下山事件,そして未解決に終っ…

▼『いま、よみがえる米騒動』田村昌夫 ほか

太平洋側で労働争議が頻発した時期に,日本海側では米騒動が多発.大正デモクラシーの先駆をなした騒動の実相を,70周年のいま,証言・特高資料・歴史的分析で明確化――. 近代日本における未曾有の大規模な大衆闘争「米騒動」の研究文献は,井上清・渡辺徹共…